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2.共通の中間データ構造

データ交換の基本は、それぞれのCADがもつ「固有のデータ構造」を「共通のデータ構造」に置き換える ことにあります。これまでの経緯では、共通のデータ構造として、最初にファイルフォーマットが注目されました。IGESが典型的な例になります。STEP では、概念的にデータ構造を抽象化して共通にしようとしました。理想は高かったのですが、CADごとにノウハウともいえるデータ構造を抽象化した枠組みに 押し込むのは、無理があったようです。フィーチャにも枠がありましたが、事実上、この枠は破綻しました。残念ながらCADベンダーは真剣にSTEP対応に 取り組まなかったと思います。
(たとえ取り組んでもデータ交換の根本的な解決にはならなかったでしょう。)

 

例え話をします。A氏とB氏の共通語は日本語であったとします。二人の意思の疎通は手紙を介して行うこ とにしました。手紙という「媒体」は両者ともに出すことも受け取ることもできます。A氏が書く手紙には、とても難しい漢字が使われておりB氏が「読めな い」と悲鳴をあげました。そこで二人は相談して使ってよい日本語文字をひらがなだけにしました。A氏が書く文章はとても難しい表現や言葉が使われておりB 氏が今度は「理解できない」と悲鳴をあげました。そこでA氏は平易な言葉で文章を書くようにしました。実はA氏B氏ともに日本人で、A氏は昨年文学部教授 を退官したばかりの方、B氏は小学校に入ったばかりのお孫さんでした。

 

IGESもSTEPも紙に書いた文章みたいなものです。データ変換の解決をIGESやSTEPのような 中間ファイルフォーマットに頼ろうとするとこのようなことになります。共通語として日本語を選んだ上に、二人ともネイティブ日本人だから翻訳の必要すらな いはずなのですが、実際には意志の疎通、つまりデータ変換はうまくいかないのです。円滑な意志の疎通を図るためには厳格な規格(媒体、文字、用語、表現) が必要ということになります。

 

データを送る側は、受ける側を特定して認識しておく必要があります。データを送るという行為は、相手を特定して届ける電話や手紙のようなものです。決して不特定多数を相手にする放送ではありません。

 

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