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独立創業日記

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独立創業日記3

1.キューリョービ
独立したことを痛いほど実感させられるのは給料日である。サラリーマン時代は、毎月決まった日に自分の銀行口座に現金が振り込まれた。10数年間のサラリーマン生活で、ごく自然な毎月のリズムになっていた。おまけに多かれ少なかれ年2回のボーナスさえあったのだ。

 

会社を持てば、自分で自分に給料を払わねばならない。最低限の金額を生活費に入れなければ家族の生活が成り立たない。社長(&オーナ)権限で自分の取り分を いくらにするかは自由であるが、会社に売上がないまま給料を取れば、それはそのまま会社の資産(預金)を食いつぶすことになる。給料を取らねば個人の資産 (貯金)を取り崩すことになる。会社の資産といっても出資者は自分であり、どう転んでもやっぱり自分の資産が減っていく。

 

サラリーマン 時代の給料日は楽しみであった。毎月一定の期日に「現金」(口座振込みは現金支給と同等)を受け取ることができる。社長となったとき、給料日は頭痛の種と なった。毎月確実に出て行く現金と会社の資産を比較すれば、あと何回給料払えるかが一目瞭然である。先がはっきり見えてしまうというのは、相当なプレッ シャーになった。

 

 

2.貸方・借方
自分の持つ技術と将来伸びていく(つもり)の技術を信じて会社を設立したのだが、技術だけで会社が回るとは思っていなかった。xyzを操る数学の知識だけでなく、¥を操る経理の知識も必要である。それはわかっていたつもりである。

 

理 系の人間から見れば、経理に必要な数学なんて所詮足し算と掛け算程度で微積分の足元に及ばない...はずだった。経理とは、財務諸表をまとめて利益、つま りいくら儲かったかを計算することに尽きる。予想通り計算は単純なのだが、計算に至るまでの下準備が相当面倒くさかった。いわゆる仕分けという作業であ る。勘定科目があって、それぞれに貸方・借方に分けてお金の動きを記していく。確かにこれがきちんとできるだけでも簿記?級という資格になるなと妙に感 心、納得したものだ。

 

結局、自分で記帳し財務諸表を作成するのは止めにした。税務まで計算しようとすると素人では手に負えない。あっさり 税理士(会計事務所)にお任せすることにした。税理士への顧問料を払っても本業のプログラム開発に専念する方が儲かるのだ(仕事があれば)。経理担当重役 (カミサン)がOL時代の経験を活かして会計ソフトを難なく使うことができたのがラッキーだった。

 

 

3.走りながら考える
会社設立の前後はいろいろな本を読んでみた。といってもほとんど経営に関するハウツー本の類である。気になったキーワードは付箋に書き留めて机の前に張ってみた。その中で自分向けにこれはと思ったものがある。「走りながら考える」である。

 

私は、予習型人間みたいでアドリブは極めて苦手である。十分な準備ができなければおろおろしてしまう。案じていることで疲れきってしまい生むことができなく なるタイプだった。独立はしたものの、仕事が受注できるわけでなく日々減っていく預金残高にため息が漏れた。1ヶ月後、半年後、1年後を思うと背筋が寒く なった。

 

しかし...ここで考え方を改めた。「ポジティブな発想をすること」「あまり先々を考えないこと」にした。サラリーマン時代は、 キューリョービの話ではないがある程度先が読める(決まっていると思い込む)のに慣れてしまっていた。いたずらに不安に苛まれるぐらいならいっそ先が読め ないのを逆手に取るのはどうだろう。今の延長として1年後もお金が減りつづけるとは限らないと思い込む。半年後、1年後は自分で作るものと考える。ま だ?ヶ月も資金が続くと見るか、あと?ヶ月で資金が底をつくと見るかは自分次第である。

 

49%の不安を上回る51%の希望を維持できれば経営を続けていけるかなと思った。

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